Q:カップを外れた球が動いている時に反射的に球を打ってカップインさせる 2016.12.06

いつもわかりやすい解説ありがとうございます。今回はグリーン上での基本的な質問です。あるプレーヤーがショートパットを外した時、反射的(?)にまだ動いている球をカップインさせました。動いている球を止めた場合、規則1-2の違反で2打罰で、止まった所からプレーをしなければならないはずです。しかし、この場合、球は止まっていないので、動いている球のプレーを禁止する規則14-5の違反の2打罰を追加して計4打罰とするのでしょうか? またはプレースしなかった違反で規則20-3の2打罰を追加すべきでしょうか? もし規則20-3の違反の場合、ホールアウトの不履行(規則3-2)で次のホールのティーショットした場合、競技失格となるのでしょうか?

junkieさん

回答
ご質問ありがとうございます!
基本的に動いている球はプレーしてはならず、プレーした場合規則14-5により2打罰を受けることになりますが、ご質問のケースでは動いている球を反射的にカップインさせたとのことですので、ストロークではなく球の動きに影響を及ぼす行為をした、ということで恐らく規則1-2が適用されるべきかと思います。この場合、ご質問にある通り、2打罰を受け球は止まった場所からプレーしなければならないのですが、ご質問のケースでは球はホールに入っていますので、最後のストロークでホールインしたことになり、そこに2打罰を加えることになります。ただし、その行為によりそのプレーヤーが重大な利益を得ていたなら(ご質問のケースではその可能性が高そうです)規則1-2の重大な違反で委員会はそのプレーヤーを競技失格とすることができます。
この規則を考える時に、以下の2つの状況を考えてみると良いかもしれません。

【状況1】
パットした球がホールの横をかすめた時に反射的にカップインさせてしまった。、何もしなければ恐らくその球はホールから50cm程度の場所に止まりそうであった。


【状況2】
パットした球がホールの横をかすめた時に反射的にカップインさせてしまった。、何もしなければ恐らくその球はホールから5m程度の場所に止まりそうであった。

この2つの状況を考えると、状況1の方が競技失格を免除されても良い気がするかもしれませんが、50cmであろうと5mであろうとそれは予測でしかないし、実際はどこに止まっていたのかは正確には分からず、その後何打かかるかもやってみなければ分からないところをカップインさせて終わらせてしまったわけです。このような場合にどこかにプレースするような規則もないので、もはやどうしようもなく、その競技に参加している他のプレーヤーとの勝負を考えた時に罰を2打で済ませることはもはやできない、という点でどちらも同じように競技失格とすべき、と裁定するのが妥当かと思います。場合によっては少々厳しいのかもしれませんが。
もし、球がホールのすぐ近くで止まりそうではあるが、まだ動いている時にタップインするつもりで球を打ってホールに入れたような状況なら、球の動きに影響を及ぼす意図を持った行動(規則1-2)というよりは、単に”ストローク”とみなすべきかと思いますので、この場合は動いている球をストロークしたことに対し規則14-5を適用し、そのストロークをカウントし球はホールに入ったことになり、2打罰を課すことになります。
規則1-2を適用するか、14-5を適用するかは、その時の状況を考慮して裁定されるべきですが、今回のご質問のように1回の行為については両方の罰が適用されるということはなく、どちらか一つの罰を適用することになります。

Mr.golfbaka