Q:暫定球はインプレーではないのにグリーン上で当てたら2打罰を受ける裁定について 2018.03.05

いつも勉強させていただいています。裁定集の「19-5/5初めの球が暫定球に当たる」の回答で、「暫定球はインプレーではないので、規則19-5は適用とはならない。」とあるのに「なお、ストロークプレーでストローク前に両方の球がパッティンググリーン上にあったときは、競技者は2打の罰を受ける」となるのはなぜでしょうか? インプレーでない球に当てても、2打の罰は受けないと思いますが ・・・
どのように解釈したらよいでしょうか

規則勉強中さん

回答
ご質問ありがとうございます!
問題の裁定19-5/5が言いたいのは、
「定義では暫定球はインプレーではないので、インプレーの止まっている球に当たった場合について扱っている規則19-5aは厳密には適用とはならないが、それでもやはり規則19-5aの内容を反映させるのが妥当だから、そのように扱いましょう」
と捉えれば良いかと思います。
裁定集の文章的には規則勉強中さんのように捉えることもできてしまう内容ですが、言いたい事は上記のようになるかと思います。
ゴルフ規則を取り扱っていると、各ケースについて適用した規則は何か? といったことを明確にすることが多々あります。例えば・・・

・プレーヤーがフェアウエイにある球をうっかり蹴飛ばしてしまった
⇒適用規則:18-2
・ウオーターハザードに入った球について救済を受けたい
⇒適用規則:26-1
・ドロップしたら2クラブレングス以上転がった
⇒適用規則:20-2c

などなどです。ここで、問題の暫定球に球が当たったケースを同じように記述すると

・最初の球が暫定球に当たった
⇒適用規則:???

となってしまいます。19-5aは適用できないし、かといって暫定球は局外者でもないので19-1も違うし・・・あてはまる規則がないわけです。そこを裁定集の19-5/5が考え方を示していて、ここでは「規則1-4・公正の理念」が登場して、規則19-5aと同じように扱いましょう、といったことになっているのです。ちょっと都合の良い規則ですが、ゴルフは規則に無いことも多々起こるので、そのような場合にこの規則1-4は登場し、最も妥当な規則を当てはめて対処する、といった流れになります。また、ゴルフ規則は裁定集の考え方も含めて「規則」としているので、今回のケースのように裁定集が規則書と異なる内容を示していたら、その場合は裁定集の考え方を参考にしましょう、ということになります。

Mr.golfbaka