Q:バンカー内にクラブを置く/アドレスする時にパターを球の前に置く 2016.12.15

@バンカー内に使わないクラブを置いても良いですか? また、良い場合、打ったボールがバンカー内に戻ってきて置いてあったクラブに当たった場合のペナルティはないですか?
Aグリーン上で、アドレス時にパターのヘッドをボールの前(飛球線方向)にソールしてもペナルティがないですか?

山本善二さん

回答
ご質問ありがとうございます!
@Aとも規則で認められている行為であり罰はありません。ただしそれらの行為により他の規則違反となる場合は別です。
まず、バンカー内でクラブを置くことについて。これは規則13-4の例外の中で扱っていますが、この例外は単純にクラブやバンカーレーキを置く行為を認めるだけであって、それ以外の目的が付随されることを認めていません。例えば、クラブを置く際に砂を掻きまわすようにして砂の状態を探ったら、それは『球がハザード内にある時にそのハザードの状態をテスト』したことになり規則13-4の違反となります。同じように、コース保護(自分の足跡を均す等)というわけでもなく、球まで行く時に綺麗な場所をレーキで均したらそれもテストとみなされるでしょう。また、バンカーショットをミスした際に歯止めとなるような場所に意図的にクラブを置いたのなら規則1-2の違反となります。アドレスの際にパターを球の前に置くことは規則16-1aの中で認めていますが、この時、クラブを強く地面に押しつけて状況を変えたとなると、そこは当然プレーの線上でしょうから規則13-2の違反となります。
バンカー内に置いたクラブに、脱出に失敗した球が戻ってきて当たると、プレーした球が自分の携帯品に当たることになるので規則19-2の1打罰を受けることになります。このような場合は球が当たる前にクラブを取り除くことが認められます。これがクラブではなくバンカーレーキであったなら球が当たっても罰はありませんが、球が当たりそうだからという理由で取り除くことはできません(取り除いた場合ストロークプレーでは2打罰)。この辺りは少々複雑かもしれませんが、混同しないよう覚えておきたいところです。規則としてどのようになっているかは、クラブやバンカーレーキが定義上どのように扱われるか、そしてどの規則が適用されるか、という事を考えます。

【自分のクラブ】
動かせる障害物であり携帯品でもある

【バンカーレーキ】
動かせる障害物であり局外者でもある(ただし自分のキャディが持っていた場合は携帯品となる)

【同伴競技者のクラブ】
動かせる障害物であり局外者でもある(ただし自分のキャディが持っていた場合は携帯品となる)

クラブとバンカーレーキはどちらも動かせる障害物です。動かせる障害物については規則24-1で扱っており、球が止まっている時はいつでも取り除くことを認めていますが、球が動いている時はその動きに影響を与える可能性のあるものは動かしてはならない(規則1-2)、としています。ただし、これにも例外(規則上は「例外」項目とはなっていませんが)があり、プレーヤーのクラブ、付き添っていたり取り除かれている旗竿は別で、球の動きに影響を与える状況で動かしても罰はない、としているのです。”プレーヤーのクラブ”とは自分の物に限らず同伴競技者の物も含みます。これらを踏まえ、自分のプレーした球が色々な物に当たりそうなケース、当たったケースの罰を比較してみると以下のようになります。

【ケース1】置いてある自分のクラブに当たりそう!
・何もせずに球が当たった → 規則19-2で1打罰
・クラブを取り除いて当たらなかった → 罰無し

【ケース2】置いてあるバンカーレーキに当たりそう!
・何もせずに球が当たった → 罰無し
・バンカーレーキを取り除いた → 規則1-2で2打罰

【ケース3】置いてある同伴競技者のクラブに当たりそう!
・何もせずに球が当たった → 罰無し
・クラブを取り除いて当たらなかった → 罰無し

【ケース4】抜いて置いてある旗竿に当たりそう!
・何もせずに球が当たった → 規則17-3で2打罰
・旗竿を取り除いて当たらなかった → 罰無し

旗竿については、これまた特殊になってくるのですが、それは規則17-3を参照してください。

Mr.golfbaka