Q:パットの線にカジュアルウオーターがあり、ニアレストポイントがグリーン外になるケース 2016.12.13

2016.12.06グリーン上のカジュアルウオーターからの救済についての回答を拝見しました。
まず、ゴルフ規則裁定集25-1b/10.5において、図1は、カジュアルウォーター内の球(以下CW)、図2はプレーの線上にCWが存在するケースで、どちらの回答も、「完全な救済が受けられる救済のニヤレストポイントである点3にその球をプレースしなければならない」とあります。これは球がグリーン上にあり、完全な救済が可能である場所は点2ではなく点3であるということだと理解しました。それでは、グリーン上でスタンスがCWにかかる救済を受けた結果、スルーザグリーンへのプレースとなり、新たにプレーの線上にCWが生じました。(救済前は、プレーの線上にCWは存在してない) 救済を受けた球がグリーン上ではなくなったので、新たに発生したCWに対する救済は受けることが出来ないと考えます。仮に、救済された球がグリーン上であれば新たなCWの救済が可能ではないでしょうか。 そこで、質問です。「グリーン上のCW救済の結果、スルーザグリーン上にプレースされた球が、新たに発生したプレーの線上のCWは救済の対象になるか?」よろしくお願いいたします。

レアポケモンさん

回答
ご質問ありがとうございます!
グリーン上で救済を受ける際はパットの線も考慮しなければならない点について、今回のご質問は色々な方々に参考になるかと思いますので、細かく考えてみます。以下では動かせない障害物や異常なグラウンド状態を『障害』とします。
まず、障害が生じることについて、ですが、球がスルーザグリーンにある場合とグリーン上にある場合で異なってきます。

【障害が生じているとは】
スルーザグリーン
球のライ、スイング・スタンス区域に障害がある。(どれか一つでも障害があれば障害が生じていることになる)

グリーン上
球のライ、スイング・スタンス区域に障害がある。グリーン上のパットの線上に障害がある。(どれか一つでも障害があれば障害が生じていることになる)


次に『救済のニヤレストポイント』について。これはゴルフ規則冒頭にある用語の定義に記述されている通りですが、大事な部分は”そこに球を置けばストロークする時に救済を受けようとしている状態による障害がなくなる所”という部分です。この文章だけでは分かりづらいのですが、これは、障害が生じる場合、上記の内の一つでも該当すれば障害が生じたことになり救済を受けることができるのに対し、救済を受けるとなったら他の要因についても障害がなくなる場所にニヤレストポイントを決めなければならない、といったことを意味しています。

ご質問のケースでは、グリーン上にある球についてスタンスがカジュアルウオーターにかかるという理由で救済を受けるわけですが、その際のニヤレストポイントは球のライ、スイング区域、パットの線についても障害がなくなる場所になる、というわけです。裁定集25-1b/10.5の図1で、点1にある球について球周辺と球からホールまでのパットの線上にだけ水が無い状況で(現実的ではないですが)、スタンスだけについて障害が生じているとイメージして下さい。これはまさにご質問のようなケースになり、その場合でも点3がニヤレストポイントになります。つまり、このようなグリーン上の球についての救済で決められたニヤレストポイントは、そこに球を置けばパターでプレーする際のライン上(かつグリーン上)にカジュアルウオーターが無くなっている場所でなければならない、ということです。ご質問のケースを伺う限りでは、救済を受けたつもりの後に、まだライン上にカジュアルウオーターがあるので、正しいニヤレストポイントで救済を受けていない可能性が高いと思われます。

Mr.golfbaka