Q:「暫定打ちます」にクレームがついたために打ち直したケース 2016.03.28

競技会での出来事です。
ミドルホールでティーショットはフェアウエイに落ちました。2打目がグリーン横のバンカーを超えて、OBになったように見えましたので、「暫定打ちます」と、同伴者に告げて、暫定球を打ちました。暫定球はグリーン真ん中に乗りました。グリーンそばに行ってみると最初の球はバンカーにあり、セーフだったので、グリーンに乗った暫定球をピックアップし、最初の球をバンカーショットをした後、同伴者から、「さっき、暫定球と言っていない。『暫定打ちます』では暫定球宣言にならないので、ダメだ。」とクレームがつきました。それに従い、暫定球をピックアップしたと思うところにプレースし、暫定球でプレーし2パットで上がりました。この場合、スコアは、いくつで上がったことになりますか?

nakachanさん

回答
ご質問ありがとうございます!
まず、「暫定打ちます」という宣言についてですが、規則では『暫定球をプレーする意志』を同伴競技者かマーカーに告げることを要求しています。裁定集では『暫定球』という言葉を使用するか、規則27-2a(暫定球の処置に関する規則)により処置する旨が明確でなければならない、としています。これは、規則27-2aに従って暫定球をプレーすることが明確であることを求めているのであり、必ずしも『暫定球』という言葉を正確に発することだけを求めているわけではありません。もし「暫定打ちます」という言葉が暫定球をプレーすること以外の可能性を含んでいるものなら認められないでしょうが、誰がどう聞いても暫定球をプレーする意志を告げたものであり、nakachanさんのプレーした球は正しく規則27-2aに従ってプレーされた暫定球ということになります。
つまり、本当ならバンカーで見つかった最初の球をそのままプレーしてホールアウトしていれば良かったのですが、暫定球としてプレーした球を拾い上げた場所にプレースしてプレーしたので罰が課されることになります。違反は、最初の球でプレーしなければならないところ別の球を誤所にプレースしてプレーしたので、2打罰となります(球の取り替えと誤所からのプレーの違反は重複しないので合計2打罰です)。違反の種類としては規則15-2規則20-7cですが、それらは、最初の球をグリーン上で拾い上げていたのなら規則20-3に違反して球の取り替えと誤所からのプレーをしたことについて、最初の球を拾い上げていなかったのなら規則13-1に違反して球の取り替えと誤所からのプレーをしたことについて罰を受ける、といった考え方になります。スコアは最初の球で3打、その後、2打罰の違反を受け2パットですので7打となります。
もし暫定球を拾い上げておらず、その暫定球でプレーしていたのなら、誤球のプレーの違反となり、最初の球でプレーし直さなければ競技失格となります。
ちなみに既に競技は終了しているかと思いますので、nakachanさんが誤ったスコアを提出していたとしても(たとえそれが過少申告であったとしても)、競技終了前にnakachanさんが知らなかったことですので、競技の結果はそのままでなければなりません。もし競技がまだ終了しておらず、例えば問題のホールを6打でスコア提出していたが、実は7打であることが分かった場合、問題のホールのスコアは7打+規則6-6dの2打罰で9打ということになります。

Mr.golfbaka