Q:『ウォーターハザードに入った球の救済でグリーン上ドロップも可』に関して 2016.02.15

“Q:ニアレストポイントがグリーン上になる 2016.01.26(rule_q&a_2016/722)”の回答解説で『ウオーターハザードの救済・・・1打罰を受けて基点の後方や基点から2クラブレングスの範囲内にドロップする場合は、ハザードやグリーンといった制限はありません・・・・場合によってはグリーン上にドロップすることもあり得ます。』とありますが、JGA規則24-2b(動かせない障害物からの救済)では「ハザード内でもパッティンググリーン上でもない所のコース上に直接落ちなければならない」とありますが、26-1(ウォーターハザードに入った球の救済)では、そういった制限はついていないのでグリーン上にドロップも構わないとの解釈で良いのでしょうか。
しかし、JGA規則20-2c(B)からすると「ドロップした球がパッティンググリーン上に転がり込んで止まった場合には再ドロップ」とありますので、たとえば ラテラル・ウォーターハザードの限界を最後に横切った地点(基点) から 2クラブレングス以内で しかもホールに近づかない所で グリーンのすぐ近くにドロップした球が、そこから転がって 基点よりはホールに近づかない所でかつドロップした球が最初に地面に着いたところから2クラブレングス以内にしか転がっていないけれども、グリーン外からグリーン内に転がった場合には 再ドロップが必要ということでしょうか。
つまり、ドロップして最初に地面に着いた位置がグリーン内ならグリーンの中でもグリーンの外でもホールに近づかず2クラブレングス以内の転がりならいいが、最初に地面に着いた位置がグリーン外でグリーン内に転がり込んだなら駄目で再ドロップということになるのでしょうか。

好也厭離さん

回答
ご質問ありがとうございます!
お察しの通りで良いと思います。動かせない障害物や異常なグラウンド状態などの罰無しの救済の場合、球がスルーザグリーンにあったならスルーザグリーンにドロップ、バンカー内にあったなら同バンカー内にドロップ、グリーン上にあったならニアレストポイントにプレース(この場合グリーンとは限らない。ただしハザード以外)となりますが、ウオーターハザード(ラテラル含む)の救済やアンプレヤブルの処置で、基点と旗竿を結んだ後方延長線上、あるいは基点から2クラブレングスでホールに近づかない範囲にドロップする場合、ウオーターハザードからの救済の場合は救済を受けようとしているハザードの外、バンカー内でアンプレヤブルの処置をとる場合は同バンカー内、といったことを除き、ドロップする場所は決まっていません。以下にまとめてみます。

【動かせない障害物・異常なグラウンド状態からの救済】
球の位置/スルーザグリーン ⇒ 救済を受けてドロップする場所/スルーザグリーン
球の位置/バンカー ⇒ 救済を受けてドロップする場所/同バンカー内
球の位置/グリーン ⇒ 救済を受けてプレースする場所/ニアレストポイント(ハザード以外)

【ウオーターハザードからの救済で後方延長や2クラブレングス内を選択した場合】
救済を受けるウオーターハザード以外のコース上で条件(後方延長や2クラブレングス内)を満たす場所ならどこでもドロップ可
※他のウオーターハザード内やバンカー内、グリーン上にドロップすることもできる

【アンプレヤブルの処置で後方延長や2クラブレングス内を選択した場合】
球がバンカー内にある場合は同バンカー内に限られるが、それ以外は条件(後方延長や2クラブレングス内)を満たすコース上ならどこでもドロップ可
※ウオーターハザード内やバンカー内、グリーン上にドロップすることもできる

また再ドロップについての解釈も好也厭離さんのお察しの通りで良いと思います。再ドロップについての規則20-2cを規則書より抜粋すると以下になります。
(i)ハザード内に転がり込んで止まった場合。
(ii)ハザード内から転がり出てハザードの外側に止まった場合。
(iii)パッティンググリーン上に転がり込んで止まった場合。
(iv)アウトオブバウンズへ転がり出て止まった場合。
(v)規則24-2b(動かせない障害物)や規則25-1(異常なグラウンド状態)、規則25-3(目的外のパッティンググリーン)、ローカルルール(規則33-8a)により救済を受けた、その状態による障害のある場所にまた転がっていって止まった場合、または規則25-2(地面にくい込んでいる球)により球を拾い上げたそのピッチマークの中にまた転がり戻って止まった場合。
(vi)ドロップした際に球がコース上に最初に落ちた箇所から2クラブレングス以上転がっていって止まった場合。
(vii)次の地点よりもホールに近い所に転がっていって止まった場合。
(a)元の位置かその推定位置(規則20-2b参照)。ただし、規則により別のことが許されている場合を除く。
(b)救済のニヤレストポイントや、最大限の救済を受けられる最も近い箇所(規則24-2、規則25-1、規則25-3)。
(c)初めの球がウォーターハザードやラテラル・ウォーターハザードの限界を最後に横切った地点(規則26-1)。


規則書では簡潔な文章でまとめていますが、(i)〜(iv)については解説を入れると以下のようになります。
(i)ハザード内に転がり込んで止まった場合。
これは、ハザードの外にドロップした球がハザードに転がり込んで止まった場合のことを意味します。また、他のハザードにドロップした球が隣合わせの別のハザードに転がり込んだ場合も該当しますが、それは(ii)にも該当します。
(ii)ハザード内から転がり出てハザードの外側に止まった場合。
これは、ハザード内から転がり出てそのハザードの外に止まった場合を意味しています。ウオーターハザードとバンカーが隣接していて、バンカー内でドロップした球が隣り合わせのウオーターハザード内に止まったら、球は依然としてハザード内ですがこの再ドロップ要件を満たしたことになります。
(iii)パッティンググリーン上に転がり込んで止まった場合。
これはグリーン外にドロップした球がグリーン内に転がり込んで止まった場合を意味しています。
(iv)アウトオブバウンズへ転がり出て止まった場合。
これは、コース上にドロップした球がOB区域へ転がり出た場合です。

ちなみに、この規則20-2cはあくまでも正しいドロップ箇所に球が落ちた場合に適用される規則です。もし、スルーザグリーンにドロップしなければいけないところ、バンカー内に最初に球が落ちてしまい、その後転がってそのバンカーから出た場合は、誤った場所にドロップしていることになるので、規則20-2cは適用とはならず、規則20-6により誤りを訂正してプレーしなけれならない、ということになります。

Mr.golfbaka