Q:風で飛ばされた枝がバンカー内の球を動かす 2016.01.09

風に飛ばされてきた枝(ルースインペディメント)は、局外者なのかどうか? バンカーでの処置に関して教えてください。
1. 風の強い日 バンカーに入れてしまったボールに、強風で飛んできた葉っぱの着いた枝(小枝と呼ぶには大きい)が当たり、ボールが飛ばされ動きました。さらにその枝の下になって打てる状態ではありませんでした。枝はルースインペディメントであると思います。バンカー内で触れることはできないので、アンプレ(バンカー内で後方ドロップ1打罰)処理をしましたが、それ以外の救済は無いのでしょうか?
2. 上記、飛んできた枝で単に動かされただけなら、動いた位置からあるがままで打つのは良いのですよね?
3. 球は動いてはいなかったが、飛んできた枝が球の上に覆いかぶさって打てない場合はアンプレ処置しかないんですよね?(球を確認できるところまでしか砂も取り除けないので枝も同じ)
ただし、ビニール袋の例による記載ですが 裁定集18-1/7に「風によって動かされた物が球を動かした場合」の件があります。折れた枝が風で飛ばされた場合、つまりルースインペディメントが風で飛ばされてきた場合に、それは局外者になるのか、それともあくまでルースインペディメントなのかが分かりませんでした。局外者扱いであれば、前有った場所にリプレースと思いますがその場合には
4. リプレースしようと思った場所にその飛んできた枝がありリプレースするには枝をどかして良いのでしょうか? それとも枝の上にリプレース? または素直にアンプレ処置するしかないのでしょうか?
お教えいただければ幸いです。

__JGAゴルフ規則 用語の定義(抜粋)__
32 ルースインペディメント(Loose Impediments)
「ルースインペディメント」とは自然物であり、次のものを含む。
●石、木の葉、木の枝など(以下省略)
41 局外者(Outside Agency)
(前省略) ストロークプレーでは、「局外者」とは、競技者サイド、そのサイドのキャディー、プレーしているホールでそのサイドによってプレーされている球、あるいはそのサイドの携帯品以外のものをいう。
局外者にはレフェリーやマーカー、オブザーバー、フォアキャディーを含む。
風や水はどちらも局外者ではない。

__JGAゴルフ規則 裁定集(抜粋)__
18-1/6 風に飛ばされてきた回転草(タンブルウィード)が、球を動かす (中省略)
回答: 質問のケースでは、風に吹き飛ばされてきた回転草(タンブルウィード)は局外者であり、規則18-1が適用となる。球は罰なしにリプレースされなければならない。

18-1/7 ビニール袋の中に入った球が、袋ごと風で動く (中省略)
回答: 風は局外者ではない。しかし、風によって動かされた物が球を動かした場合、そのような状況の下ではその物は局外者である……裁定18-1/6参照。
質問のケースでは、風ではなくビニール袋が球を動かす原因となっているので、規則18-1と24-1bに基づいて、プレーヤーは球が袋の中で止まっていた初めの箇所の真下の地点にその球をドロップしなければならない。

好也厭離さん

回答
ご質問ありがとうございます!
非常に難しいケースですね。まず、風で飛んできた枝などはルースインペディメントでありながら局外者でもあります。これは挙げて頂いた裁定例18-1/6や他にも18-1/8(ここでは飛んできた石が局外者であることを示しています)からお分かり頂けるかと思います。そして、局外者が球を動かしたわけですから規則18-1に従いリプレースしなければならない、という点までは間違いありません。ただ、ご質問のケース(4)ではリプレースすべき場所に枝がある、というのが難点です。裁定13-4/18.5では、バンカー内で球が止まった後に松かさが自然に転がり込んできて球の真後ろに止まっても取り除くことはできないことを明示しています。自然現象の結果、ハザード内のプレーに影響する場所にルースインペディメントが転がり込んできても、それらは規則13-4で定めているとおり、取り除いたり触れたりしてはならない、ということを意味しており、このことから、ご質問の枝も取り除くことはできないと解釈するべきなのですが、球を置かなければならない場所にあるので、どのようにすれば良いか? といった疑問が生じてきます。
また、球がハザード内にある時、ハザード内のルースインペディメントは通常取り除いたり触れたりすることが認められませんが、球の確認(規則12-1)やリプレースする時にルースインペディメントに触れたり動かしても罰はありません。ただし、球の確認のためにルースインペディメントを動かした場合は確認後に元の状態にリプレースする必要がありますし、その時に球を動かしてしまうと規則18-2の1打罰を受けることになります。
以上のことと、他の裁定例等も併せて考慮すると、まず1と2については球を元の位置にリプレースしてプレーしなければならなかった、ということになります。この時、元の場所の砂の状態が変えられていたのなら復元しなければなりません(規則20-3b(B))。3については、そのままプレーする(枝ごと打つ)か、それが不可能ならアンプレヤブルの処置をとるしかありません。そして、リプレースすべき元の場所に枝がある4についてですが、類似の裁定例がないので正直なところ正確な裁定は分かりません。実際に起きた時にその場の状況によって裁定する、といったところになるかと思います。私の個人的な見解では、枝を一旦取り除き、元の場所に球をリプレースした上で、枝をできるだけ元々の状態と同じようにリプレースする、といったところではないかと思います。

Mr.golfbaka