Q:同伴競技者の球が動いている時にその球を動かしてしまった 2015.10.28

3人がオンした後のカラーからのアプローチで、ちょっと方向的にミスショット。ホールから1mほど横にずれて転がっていく。そこには先にオンしたボールがあった。ボールの勢い的にはボールに当たってちょっと転がるくらい。そのままにしてくれれば何も問題はなく、アプローチしたボールはグリーンからのパッティングではないのであるがまま(規則19-5a)、当てられたボールは元あった位置にリプレイス(規則18-5)、ともに罰無しだと思います。しかし先にオンした方が焦って、マークをしてボールを拾い上げようとされました。でも間に合わずに拾い上げようとした手の指に当たり、手の動きでホールから手の勢いもあり大きく方向を変えて転がっていった。
規則19-4で同伴競技者は規則19-1の局外者と同様に扱いになり、規則19-1では“偶然”であればラブオブザグリーンと書いてありますが、この事例では“偶然”というのは日本語としては合わないと感じます。しかし 注には“故意”の場合が書いてありますが、この事例の場合“故意”というのも適さないと思います。しいて言うならルールを熟知していなかったための“過失”と言えると思います。
“偶然”であれば、共に罰無しで アプローチした球は手によって勢いよく動かされた場所からあるがまま、マークして拾い上げられた球はマーク位置にリプレイスとなると思いますし。
“故意”であれば 規則19-1注(a)(zB)球が止まっていたであろう箇所を推定してプレイスになり、規則1-2で球を動かしてしまった手の同伴競技者は2打罰になるのかもしれません。ただし、この場合も規則1-2にある「(i)インプレーの球の動きに影響を及ぼす意図を持って行動をしたり」の意図を持っていたとは言い難いと思います。裁定集も見ましたが、このような場合に適合すると思われる事例は見つけられませんでした。
この事例の場合、動かされた球はあるがままの位置からパットしましたが、明らかに不利な位置になりました。「球が止まっていたであろう箇所を推定してプレイス」が適切とも思いましたが、その場合には自動的に、動かした手の同伴競技者は規則1-2で2打罰にならないとおかしな話なので、偶然としました。これでよかったのでしょうか?
規則1-4があまりにも一般的でよくわかりませんが、動かした手の同伴競技者は罰無、動かされた球は「球が止まっていたであろう箇所を推定してプレイス」でも良いのかとも思えます。
この場合、どのように裁定されるのでしょうか?

好也厭離さん

回答
ご質問ありがとうございます!
規則1-2では、球の動きに影響を与える意図を持って行動することを禁止しています。裁定例の考え方からすると、動いている球に影響を及ぼす可能性のある行動をとった場合や、規則13-2でカバーしていない区域の状態を変えることが規則1-2の違反になるとしています。例えば、他のプレーヤーの打った球が当たるかも知れない場所にある自分の球を拾い上げる、あるいは他のプレーヤーの打った球が当たるかも知れない場所にあるバンカーレーキを動かす、といった行為、また、ドロップした球が止まりそうな区域(ドロップ範囲外であるが再ドロップを必要としない区域)の状態を変える、などです。球の動きに影響を及ぼすかも知れない行為については、結果的に球を動かしたかどうかは関係ありません。他のプレーヤーの打った球がバンカーレーキに当たりそうだからといってバンカーレーキを動かしたところ、実際は1m横を通り過ぎて行ったので動かさなくても当たらなかった、といった場合でも違反となります。ご質問のケースも同じように考え、同伴競技者の球が当たるかも知れないという状況で行動しているので規則1-2の違反になると裁定すべきです。もし、動いている球に手が当たらなかったとしても球を拾い上げたプレーヤーは規則1-2の2打罰を受ける、ということです。球が当たったことについては”過失”と言えるかもしれませんが、その一連の行動については”故意”と考えるべきだからです。アプローチをしたプレーヤーはご質問内容にある通り規則19-1に従い、「球が止まっていたであろう箇所を推定してプレース」とすべきだったと思います。

Mr.golfbaka