Q:球を置かずにボールマーカーを交換する
 ドロップ範囲を示すために置いたティーをそのままにしておく
 1ペナの黄杭とローカルルール   2015.07.04

いつも質問させていただき、ありがとうございます。ボールマーカーの件とドロップ範囲のマーカーについてお聞きします。
クラブの公式競技で私がマーカーではない同伴競技者が行った件で、ルール解説書にも載っていないような些細な、次の3点についてお聞きします。
@グリーン上で、同伴競技者がコイン式のマークをしてボールを拾い上げました。その直後に何を思ったのか、いきなりマーカーを拾い上げてプラスチック式のマーカーに交換してしまいました。一瞬ですが、グリー上には何もない状態があったわけですが、ペナルティーにはならないのでしょうか?
A同伴競技者のボールがカート道路に止まりました。ニアレストポイントへティーペグでマークし、ワンクラブレングスにもマークしてすべて正しく処理はしましたが、マークした2ヶ所を撤去せずにそのままボールを打ってしまいました。撤去しないと方向付をしたということでペナルティーになると聞いていましたが、どうなのでしょうか? 本人は方向付のつもりではないようでしたが。
B4人1組のラウンドで、私とその同伴競技者は、お互いがマーカーでも何でもない関係なのですが、マーカーが指摘をしないことを私が指摘してもよいものなのでしょうか?

黄杭・赤杭とローカルルールについてお聞きします。ウオーターハザードは黄杭、ラテラルは赤杭、これとは別にコース間の境目などに黄杭で区切られているコースをよく見かけますが、次の点についてお聞きします。
Cゴルフ規則で、白杭・黄杭・赤杭の定義がないように思いますが、これらの根拠はどこに述べられているのでしょうか?
Dコース間の黄杭(どちらかというと、処置方法が赤杭の処置の1つにある方法に近いと思いますがなぜか黄杭です)の処置は、横切った地点から2クラブレングスのドロップ範囲にドロップして、落ちた地点から2クラブレングス以内に止まればインプレイになると認識していますが、この根拠もどこで決められているのでしょうか?(ローカルルールなのでしょうか?)
Eローカルルールは、ゴルフ場や委員会でいろいろなケースを特別に決めるものですが、これに違反した場合は、それぞれのケースごとに1打罰・2打罰・失格などの罰則を定めているものなのでしょうか? 以上ですが、よろしくお願いいたします。

ヨシオさん

回答
いつもご質問ありがとうございます!
@についてですが、球をマークすることについては規則20-1で定めており、その注釈の中で『拾い上げる球の位置は、ボールマーカー(小さなコインや同様の物を含む)を球の真後ろに置いてマークすべきである』としています。また裁定例においては、球をマークする際は物理的にマークする必要があることを明記しており(裁定例20-1/16、20-1/20参照)、例えば、地面の模様をマーク代わりにしたり、球の後2インチも離れた場所にボールマ―カを置いてマークすることは正しくマークしたことにならず、規則20-1の違反による1打罰を受けるものとしています。これらのことから、ご質問のケースも、一瞬とはいえ、正しくマークしていなかった瞬間があったことになるので1打罰を受けることになります。
Aは、そのティーペグを置いた目的がドロップ範囲を定めるためですので罰はない、として良いと思います。方向付けの目的で置いたのであれば、ストロークする前に取り除かなければ規則8-2の違反で2打罰を受けることになりますが、ご質問のケースでは、そもそもの目的がドロップ範囲を定めるためであり、たまたま、それが方向付けできる場所にあった、ということに過ぎません。ドロップ範囲を定めるために置いたティーなどはプレーする前に取り除かなければいけないといった規則はありませんので、罰はない、というわけです。ちなみにですが(ご質問の趣旨とは直接関係ありませんが)、ドロップ範囲を決めるためや球をマークするために使用しているティーペグやボールマーカーなどのような小さな物はプレーヤーの携帯品として扱われません。
Bマーカーはあくまでもスコアを記入する人であり、特に何か指摘したりする権限はありません。戦略とは関係ない規則のことを教えたり教えてもらったりすることは特に問題なく、その人がマーカーであるかどうかは関係ありません。例えば、自分がマーカーではないプレーヤーが規則違反をしそうな時に、罰を受ける前にそれを指摘してあげても何ら問題ありません。
Cについては、それぞれの杭についての定義はありませんが、ゴルフ規則の『用語の定義』の中の、OBやウオーターハザード、ラテラルウオーターハザードの定義として杭の色を指定しています。OBを定める杭や線については”白にすべき”としており、ウオーターハザードについては”黄色でなければならない”、ラテラルウオーターハザードについては”赤でなければならない”としています。
Dは、いわゆる『1ペナ杭』というものかと思いますが、これは多くの場合、ゴルフ場側の都合による(プレーのペースのために設けられた)ローカルルールです。ゴルフ規則には無いルールで、規則の考え方としても、本来ラテラルウオーターハザードがない場所なのにラテラルウオーターハザードのような救済が受けられるようにすべきではないので、厳しく言えばゴルフ規則を無視したルールと言えます。ですので1ペナ杭を設置してあるゴルフ場でも、公式競技では使用しないのが普通です。
Eローカルルールは、地域的に異常な状態がある場合において作ることが認められています。ゴルフ規則では、例えば、球をマークしないで拾い上げたり、インプレーの球を動かしてしまったような場合など、いくつかの違反について1打罰としていますが、規則違反をした場合は原則2打罰です。ローカルルールにおいても違反をした場合は2打罰とするのが基本かと思います。ゴルフ規則の『付属規則1・ローカルルール』の中で参考例などが載っていますので参考にして頂ければ良いかと思います。

Mr.golfbaka