Q:ドロップした球が回収困難な場所に転がり込むことが明らかな場合 2015.03.06

ニアレストポイントを決めて救済を受ける際、ドロップする場所がホールに向かっての傾斜地である場合、多くの場合ホールに向かって転がり出るもしくは玉が落ちた場所から2クラブレングス以上転がり出るかと思います。
@例えばホールに向かって200y打ち下ろしていくホールだったとして、玉を故意に止めなければ200y転がり止まり、ドロップした本人がそれを拾い上げさらにドロップし、玉が止まるのを待ちリプレイスしに戻るという行為が後続の組に対する遅延プレーを引き起こす原因となりうるケースの場合、ドロップした玉が明らかにホールに近づく、もしくは2クラブレングス越えた位置で故意に止めると言う行為も違反になるのでしょうか?
Aまた、この場合プレイヤーが玉を拾い上げる事が困難な傾斜地で遅延プレー防止の為、同伴者、もしくはキャディーが玉を拾い上げると言う行為も違反になるのでしょうか?

古田加奈子さん

回答
ご質問ありがとうございます!
本来、ドロップした球は手を離れた瞬間にインプレーとなるので止まるまで触れてはいけませんが、裁定集の考え方では、ご質問のケースのような場合、規則20-2c・再ドロップを要する場合の範囲に転がって、そこから戻ってくることがないことが明白な場合は球を止めても罰はない、としています。
ご質問のケースではホールに近付いて球が転がっていってしまうような地形とのことですので、主に
・ニアレストポイントよりホールに近付いた場合
・球が落ちた箇所から2クラブレングス以上離れた場合
で、球が戻ってくることがない場合は、その時点で球を止めても良いということになります。ハザードやOB区域に球が転がり込んだ場合も同様です。似た例で良くあるのは、池の近く(スルーザグリーン)でドロップした球が池に向かった傾斜により転がって池に入ってしまうのを入る前に止める、といったケースです。この場合もスル―ザグリーンでドロップした球がハザード区域内に転がり込み、そこから戻ってくることがない場合は、池に入る前でも球を止めることができる(みすみす球を池に入れてしまう必要はない)、ということになります。ウオーターハザードの限界が池の淵に沿っていれば池に入った瞬間に止める、といった具合になります。
もし、20-2cの再ドロップを要する範囲に球が転がり込む前に止めたり方向を変えた場合は規則1-2で2打罰を受けることになります。この場合は球が止まった場所からそのままプレーしなければなりません。拾い上げてしまった場合は拾い上げた箇所にリプレースします。この場合、1つの行動が2つの重複した違反(規則1-2と18-2)となっているのでリプレースすれば追加の罰はありませんが、リプレースしないと規則18の違反の2打罰が更に加わり、計4打罰を受けることになります。
今回のご質問のような場合の球の拾い上げは、プレーヤー自身が行っても良いですし、キャディや同伴競技者でも構いません。ただし、同伴競技者に頼んでやってもらう場合は、その同伴競技者が何か違反をした時、その責任をプレーヤーが背負うことになりますので、例えば再ドロップ範囲に球が転がり出る前に同伴競技者が止めてしまった場合はプレーヤーが2打罰を受けそのままプレーしなければならない、ということになります。
もしプレーヤーが頼んでもいないのに同伴競技者が勝手にやった場合で、再ドロップの範囲に転がり出る前に止めてしまった場合は規則20-2aで定める回数制限のない再ドロップをしなければなりません。

Mr.golfbaka