Q：バンカー内のカジュアルウオーターの中で見つからない球 2014.11.07
ゴルフ雑誌のルール解説の中で疑問がありましてご教授いただければと質問させていただきました。内容は以下の通りです。
大雨の翌日のラウンド。A君のセカンドショットは、グリーン左サイドのバンカーに入ったが、水しぶきが上がった。行ってみるとバンカー内に水たまりが広がっていた。A君は水たまりのなかにあるはずのボールを探したが、見つける事ができなかった。困り果てたA君は「B子さん、ボールは絶対にこの水たまりにあるはずなんだけど・・・・・・」。B子さんは笑顔で「大丈夫、私も入ったのは見ていたわ。カジュアルウォーター内で見失った場合は、無罰で救済を受けられるわよ」。A君はホッとして「じゃ、救済のニヤレストポイントを決めて、別のボールをドロップすればいいんだね。ボールが入ったのは多分あの辺だから、あの左の水際ぐらいかな」。B子さんは首を振りながら「違うわよ、打球が最後に横切った水際が救済のニヤレストポイントの基点になるのよ」。A君は首を傾げながら「それは、通常のウオーターハザードの場合だけじゃないのかな」さて正しいのは、A君、B子さんのどちら？
回答：正しいのはB子さん。規則25-1c（ii）より、バンカー内で球が異常なグランド状態（カジュアルウォーター）の中にあることが分かっているか、ほぼ確実だが見つからない場合、球はその異常なグランド状態の限界を最後に横切った地点に有ったものとみなされる。そこを基点に、規則25-1b（ii）の救済を受ける事ができる。
とありましたが、 規則25-1c（ii）を見てみますと
25-1c.異常なグラウンド状態の中で見つからない球
(ii)バンカー内
バンカー内で球が異常なグラウンド状態の最も外側の縁を最後に横切って中に入ったときは、プレーヤーは別の球に罰なしに取り替え、規則25-1b(ii)の救済を受けることができる。
25-1b.救済
(ii)バンカー内
球がバンカー内にあるときは、その球を拾い上げて次のどちらかの処置をとらなければならない。
(a)救済のニヤレストポイントはバンカー内でなければならないという点と、球もそのバンカー内にドロップしなければならないという点を除き、他はすべて前記(i)に準じて罰なしにその球をドロップ。完全な救済が得られないようであれば、バンカー内のコース上で、その状態から最大限の救済を受けられ、ホールに近づかずに、しかも球のあった箇所にできるだけ近い所に、ドロップ。
(b)1打の罰のもとに、ホールと、球のあった箇所とを結んだ線上で、そのバンカーの後方にその球をドロップ。この場合には、バンカーの後方であればいくら離れても距離に制限はない。
このように書かれております。つまり、バンカー内においては、罰なしで出すことはできないのではないかとおもいますが、いかがでしょうか？ ご解説よろしくお願いいたします。
回答
ご質問ありがとうございます！
ご質問にある「ゴルフ雑誌のルール解説の内容」については、その通りで問題ありません。球がバンカー内のカジュアルウオーターの中に入ったことは確かだが、見つからないので、球がそのカジュアルウオーターの限界を最後に横切った場所に球があるものとして、そこを基点にバンカー内でニアレストポイントを決めて処置することになります。ひろしさんのおっしゃる通り、罰無しの救済は、もちろんバンカー内で処置しなければなりません。B子さんの回答の文言には「バンカー内で」という言葉がないので、バンカー外で救済を受けるという意味で捉えられたのかもしれませんが、この救済は同バンカー内で処置しなければなりません。
ちなみにA君の「それは、通常のウオーターハザードの場合だけじゃないのかな」という文言について、ウオーターハザードの救済の場合は、球が最後に限界を横切った場所が救済の基点となりますが、異常なグラウンド状態の中で見つからない球について救済を受ける場合、球が最後に限界を横切った場所に球があるものとして、それを基準に決めたニアレストポイントが救済の基点ということになりますので、注意が必要です。
言葉だけでは分かりづらいので以下に図で示してみます。
図で、X点は球のあると思われる場所、Y点は最後にカジュアルウオーターの限界を横切った場所となります。X点付近に球があるとしても見つけることができなければ、球はY点にあるものとしてニアレストポイントを決めなければなりません。そうするとニアレストポイントはZ点ということになり、Z点から1クラブで同バンカー内にドロップすることになります。また1打罰でバンカーの外にドロップする救済を受ける場合もY点に球があるものとして後方延長線を決めるので、ドロップするのは赤い実線の部分になります。もし球がX点で見つかっている場合はニアレストポイントはA点ということになります。