Q:使わない方のクラブを無造作に後方に置いた 2014.07.22

先日、関西女子倶楽部対抗に出た時のショートホールのティグランドでの出来事です。8番アイアンと9番アイアンを持っていて悩んだあげく、8番アイアンで打つ事にして9番アイアンを無造作に後方に置いたままショットしました。後ろに置いたアイアンがペナルティになると言われました。方向づけしたわけでもないのにペナルティになるのですか?

山本淑子さん

回答
ご質問ありがとうございます!
方向を示す目的ではなく無造作に置いた場合は罰はありませんが、方向を示す目的で置いたままストロークすると規則8-2a(プレーの線の指示・パッティンググリーン上以外)の違反で2打罰が課せられることになります。
ご質問のケースの場合、無造作に置いたとのことなので罰はありませんが、同伴競技者の目には疑わしき行為に映った、ということでしょう。ゴルフのルールではしばしばこのような事例が挙げられます。例えば、規則22-2に基づいてプレーの妨げとなる球を拾い上げた時に、球を拭いた可能性のあるような行為をした場合などです。他のプレーヤーのプレーの妨げとなる球で、グリーン上以外の球を拾い上げた場合、その球は拭くことができないのですが、拭いたと思われるような行為をすると周囲から指摘される場合があります。このような時に最も重要なのは「事実はどうだったのか?」ということです。山本さんのケースなら方向を示す目的は全くなかったのか? プレーの妨げになる球を拾い上げた場合なら、その球は全く拭いていないのか? ということが問われることになります。そして、疑わしき場合はプレーヤーの不利に解釈されても仕方ない、といったことも言えます。
ただ、私が良く耳にする範囲では、規則の定めるところを知らずに他のプレーヤーに指摘する方が多い、というのもまた事実です。例えば、プレーの妨げになる球を拾い上げた場合、親指と人差し指で持っていなければならない、といった認識をしている方が多くいますが、実際のところは球を拭くことができない、ということであり、親指と人指し指で持たなければいけないといった規則はどこにもありません。疑わしく思われないためにそのようにすることは推奨されることではありますが、ゴルフ規則の中にそのような決まりは一切ありません。親指と人差し指で持っていなくても、球を拭いたと思われるようなことをしなければいいのです。他にもグリーン上で砂を取り除く時は手の甲で取り除かなければならない、といった認識をしている方が多いのですが、これも実際のところは、グリーン面のテスト(規則16-1d)と捉われないために推奨される方法ということであり、規則で砂の取り除き方が定められているわけではありません。山本さんのケースにおいても同じです。クラブやヘッドカバーを飛球線後方に置くこと自体が違反になると認識している方がいますが、そうではなく、プレーの線を示し、そのままストロークした場合が違反となるので、誤解されないように飛球線後方に物を置かないようにした方が良い、ということなのです。
ちなみに今回のご質問のケースで、山本さんがプレーする前に後方に置いたクラブがプレーの線を示していると見て取れる場合、同伴競技者は山本さんがストロークする前にそのクラブを取り除くよう指示しても問題なかった、ということも言えます。プレーの線を示す目的で置いたものはストロークする時に置いたままにしておくと罰が課せられますが、その前に取り除けば罰はありませんし(規則8-2a)、そのような規則に関することを言及してもアドバイスの違反(規則8-1)とはならないからです。

Mr.golfbaka