Q:球の前にパターを置く行為 2016.09.04

パッティンググリーンで球をリプレースした後のあるプレーヤーのルーティンについて教えて下さい。
プレーヤーはインプレーの球の前、約15cmのパットの線上にパターをラインと平行に縦に一度置き、その後ストロークします。プレーヤーの言い分は、
@球の前にパターを置く事が許されている
Aその行為でパターをラインに対して直角にしなければならない、とは記載がない
Bパットの線より5cmほど離してパターを置いているのでパットの線には触れてない
C芝を押さえつけてないのでプレー線の改善もしていない
との事でした。結果、ラインがより明確になるようです。このようなルーティンは許されるのでしょうか? ご教授お願いいたします

junkieさん

回答
ご質問ありがとうございます!
まず、パットの線にかかるような場所でパターをおく行為についてですが、規則16-1aではパットの線に触れることについて2打罰としていることから、パットの線上にパターを置いた場合は2打罰となるのが基本です。ただし、規則16-1aの中では違反とならない場合もいくつか定めており、その一つに『アドレスの際にクラブを球の前に置くとき。ただし、その際何も押さえつけないこと』という項目があります。ここで重要なのは『アドレス』と『パットの線』についての正しい解釈です。規則で言うところの『アドレス』とは、球の直前か直後にクラブを置いた時です。直前と直後という言葉には具体的に何cmかという決まりはありませんが、15cmも離れていたらアドレスとはみなさないのが普通でしょう。また『パットの線』はプレーヤーがグリーン上で球をストロークした後にとらせたい線のことをさしますが、幅のない線ではなく、ある程度の『合理的な幅』を持たせて考えなければなりません。つまり、「私はこの線をとらせたいから、その1cm横にずれた場所はパットの線にはならない」というような考え方は通用しない、ということです。この『合理的な幅』というのも具体的な数値が決まっているわけではありません。まっすぐなラインか曲がるラインか、また距離によっても『合理的な幅』というのは変わってくるでしょう。
以上を踏まえプレーヤーの言い分@〜Cについて考えると以下のようになります。
@球の前にクラブを置くことによってパットの線に触れることが認められているのはアドレス時(球の直前に置く時)のみ、質問のケースはそれに該当しない
A言い分どおり、直角か平行かは関係ない
Bプレーヤーの意図するラインより5cmほど離したことによってパットの線ではない場所になったとは考えにくい
C言い分とおり、芝を押さえつけていなければプレーの線の改善(規則13-2)にはなっていない可能性が高い
というわけで、もし私がレフリーでその場にいたのなら、球の前15cmの場所に、ピッチマーク跡を直すなどの理由なしにパターを置いたのを確認した時点で、規則16-1aの違反とみなすかと思います。

Mr.golfbaka