Q:樹上の球を確認出来ない状況でアンプレヤブルを予め告げておくことについて 2016.08.26

樹木の上に球が止まった場合の処置についての質問です。
自分の球と確認出来ない以上、アンプレアブルには出来ない。この場合は紛失球となる。また 自分の球と分かっていても黙って木を揺すって落とすと1ペナとなる。ところが自分の球かどうか分からない場合とか、その木の上にあるのは間違いない場合などで、「もし自分の球であればアンプレアブルの処置をする」と宣言した上で球を落として確認すれば良い。との説明をしているルールブックもあります。自分の球を動かせば当然罰が付きますが、アンプレアブルの特別のルールなのでしょうか? 何か矛盾しているようなのでご説明をお願いいたします。ちなみに2015年10月24日のQ&Aにもその様な記載があります。

坂根二郎さん

回答
ご質問ありがとうございます!
確かに規則書に記されている内容だけでは、ご質問のケースのような場合に、アンプレヤブルの処置をとることを予め告げていたからといってインプレーの球を動かしたことによる罰(規則18-2)を受けなくなる、といったことは分かりません。しかしゴルフ規則は、規則書の文言だけでは様々なケースに対応することが不可能であり、より多くのケースに対応できるようゴルフ規則裁定集というものがあります。そして、『規則』という言葉の中にはゴルフ規則裁定集の考え方も含まれることが明示されています(用語の定義)。そこで、裁定18-2/27ですが、ここではご質問内容にあるように、「樹上の球が自分の球であればアンプレヤブルの処置をとる」ということを宣言した上で球を落とせば罰はない、といった考え方を示しています。
このような裁定例がある理由として、このようなケースではプレーヤーが罰を受けなくても特段利益はない、ということが考えられます。もし、プレーヤーが、自分の球と信じて「アンプレヤブルの処置をとる」と宣言した上で球を落としたらどうなるでしょうか? この場合はプレーヤーの球であれば、アンプレヤブルの処置を進めるために球をとったのですから何ら問題なくアンプレヤブルの1打の罰のみを受けることになります。プレーヤーの球でなかったら、他の誰かの球、あるいは遺棄されている球を動かしただけですので罰はありません。
予めアンプレヤブルを宣言しておくことは、樹上の球についてアンプレヤブルの処置をとらずにプレーを進められる可能性をなくすことを意味しており、そうなると規則18-2の罰を受けないのが妥当、といった考え方になるかと思います。

Mr.golfbaka