Q:カート道からの救済を受けようとした時に、球が寄りかかっている枝を取り除いたら球が動かなかったのでそのままプレーする 2015.12.27

平らなライでボールが木の枝に寄りかかり止っていました。木の枝を取り除くとボールが動きだしそうでした。たまたま、スタンスがカート道にかかるため救済を受けられる状況でしたが、二アレストポイントは急斜面のラフでした。救済を受けることを同伴者に告げ、ボールを拾い上げる前に木の枝を取り除いたところ、ボールは静止したままでした。救済をとりやめて、そのままプレーすることはできますか?

宮下さん

回答
ご質問ありがとうございます!
このケースは実はかなり難しい状況なのですが、私が競技委員だったとしたら、そのままプレーして問題ない、と裁定します。裁定例で一番考え方が参考になると思われる18-2/30(2014-15裁定集では18-2a27.5、裁定番号が変更となりました)では、アンプレヤブルの救済を受けることを予め宣言しておくことにより、球を確認したり拾い上げる時にどうしても球を動かしてしまうような状況で規則18-2(インプレーの球を動かしたことによる1打罰)を受けないよう『保護策』を講じることができる、と示していますが、その後、球が動かない可能性が見えてきたためにそのままプレーしようとした場合、プレーヤーのアンプレヤブルの意志は無くなったものと裁定すべきで、その後に球が動いた原因となった場合はプレーヤーは規則18-2による1打罰を受ける、としています。
この考え方をご質問のケースに当てはめて考えると、まず、枝を取り除いた行為が「そのままプレーできる可能性を探った」うえでのものだったのか? が問題となります。そうだとしたら、裁定例の考え方を参照すると、その時点で宮下さんは救済を受ける意志が無くなったと裁定すべき、ということになります。ですので、その後、木の枝を取り除いた時に球が動いたら1打罰を受けることになります。しかし、実際は球が動いていないので罰を受けることはない、といった考え方です。
この辺りの考え方が根底にないと『保護策』を都合よく使用することができてしまいます。例えばご質問のケースで、
・木の枝を取り除く時に球を動かしてしまったら救済を受ける
・球が動かなかったら救済を受けない
といったことが出来てしまうことになります。これでは木の枝を取り除く時に球を動かした場合、本来1打罰を受けなければならないところを回避出来ることになってしまうわけです。これは規則の裏をかく行為ということで認められません。
以上の考え方により、ご質問のケースでは球が動いていないので、そのままプレーしても問題ないと思いますが、枝を取り除く行為については「そのままプレーできる可能性を探った」とみなされる可能性が高いので、もし球が動いていたら(その後に救済を受ける受けないかは関係なく)規則18-2の1打罰を受けることになっていたかも知れません。

Mr.golfbaka