Q:規則を教えることとアドバイスの違反について 2015.11.09

クイズを含めて大変ためになり面白いので仲間にも広めて活用させていただいております。そこで教えてください。ルール違反を防止するような教え方もアドバイスにはならないのでしょうか。ルール自体を教えるのは「JGA規則8-1アドバイス」には当たらないのは分かるのですが、ルール違反をしそうなときその行為をしちゃうとルール違反になりますと教えるのもアドバイスにはならないのでしょうか。
「JGA規則“第1章「エチケット」「ゴルフの精神」「スポーツマンシップ」”からすれば、同伴競技者が規則違反をしそうになったら、それを教えてあげるのは当然のことなのだ。」と言っているものもあります。でも「「アドバイス」とは、プレーヤーの(a)プレー上の決断や・・・」とあり、明らかにプレー上の判断ともいえるようにも思えます。裁定集には「JGA規則 裁定集 8-1/16 」「自分ならアンプレヤブルとみなす」と、同伴競技者に示唆
質問:競技者Bは球のライが悪いのでどうしようかと考えていたところ、同伴競技者のAが「ショットのしようがないね。私ならアンプレヤブルとするところだが」と言った。この場合、Aは規則8-1に違反してアドバイスを与えたことになるか。
回答:アドバイスを与えたことになる。競技者Aの発言は、競技者Bが「プレー上の決断」を行うに際してBに影響を与えることが充分に考えられる。したがって、Aの発言は紛れもなくアドバイスであって(定義3「アドバイス」参照)、「規則を知らせること」(アドバイスとはならない)には該当しない。

というのもあります。これは ルールで複数の選択肢がありどれを選ぶかだから明確ですが、違反行為を止めるのも、「プレー上の決断」の一種と言えなくないように思えます。木の下で素振りをしようとしている人に対して、そこでテイクバックすると枝に当たって折れる可能性があるからやめた方がいいというのも ルールを教えるのであってアドバイスにはならないのでしょうか?
[ゴルフルールクイズ/難しい DIFFICULT]にありました、以下
「グリーン上で拾い上げた球をリプレースしてラインを読んでいたところ、球が傾斜で勝手に動きました。プレーヤーはその球をマークせずに拾い上げて動く前の場所に戻してプレーしようとしたところ、同伴競技者から「動いて止まったところからそのままプレーだよ」と言われたので、また球を拾い上げて動いて止まった場所に戻してプレーしました。プレーヤーの罰は?」はよく分かったのですが、この場合の同伴競技者は「JGA規則8-1アドバイス」の罰は無いのでしょうか? 本来、この場合プレーヤーは何かをする前、球が動いた段階でオフィシャルに確認すべきと思います。オフィシャルがいないのであれば 同伴競技者にルールの確認をすれば良かったのではないでしょうか。「この場合ルールではどうなるんでしたっけ?」と。
そうすればルールを聞いただけなので、JGA規則8-1アドバイスには当たらないのは明確。一度「マークなしの拾い上げ」で既に規則違反をしてしまってから、さらに「動く前の場所にボールを戻してプレーしようとした」という行為をしてしまった。同伴競技者の指摘行為が無かった場合 プレイヤーのスコアーは変わっていたと思います。 “しようとした”行為を停めたのは「(a)プレー上の決断」に当たるようにも思えなくもありません。スポーツマンシップなら「その球をマークせずに拾い上げて」の前に教えてあげるべきでは。動いた球の方向に歩いて行く段階でマーカを置いて行っているのだから分かりそうなものです。マーカを持たずに動いたボールに近づいた段階でルールを教えてあげるべきと思えます。クイズはルールを覚えるためにもあるので適切と思いますが、実際のプレーの場合どのようになるのかお教えいただきたくお願いいたします。

好也厭離さん

回答
ご質問ありがとうございます!
『プレー上の決断』とは言わば戦略的な要素になります。規則に関することで戦略的な要素を含む助言(アドバイスの違反になるもの)としては、ご質問にあるように裁定例のアンプレヤブルの選択肢でどれが最も得策かを教えるのもそうですし、他には例えば、ドロップ範囲を聞かれた際に「ニヤレストポイントから1クラブレングス」に付けくわえてドロップする際に「ここに落とせば良いライに転がって止まるよ」なんていうのももちろん違反になります。ラテラルウオーターハザードの処置が分からずに困っているプレーヤーにその処置について教える場合「前回プレーした場所と、旗竿と最後にハザードの限界を横切った箇所の後方延長線上の他に、最後にハザードの限界を横切った場所から2クラブレングス以内、つまり他の2つの選択肢よりもっとホールに近い場所からプレーすることもできるよ」と言っても規則8-1の違反にはならないかと思います。これはプレーヤーが知らない規則について教えているだけに過ぎないからです。ただし、この先のことについて「2クラブレングス以内でホールに近い方からプレーした方が有利だよ」なんて言ったら、それは規則8-1の違反となってきます。
規則を知らないために違反を犯してしまうケースはよくあることですが、同伴競技者が規則について教えてくれたために罰を犯さずにすんだからといって、それが戦略的な要素を含んだものではなく、ただ単に規則に関する情報だけであればアドバイスの違反にはなりません。プレーヤーが規則書や裁定集を見て得ることができる範囲の情報であれば問題ない、ということです。
ルールクイズについては、状況によっては好也厭離さんのおっしゃる通りの部分もありますが、『まさかマークもしないで球を拾い上げるとは思ってもいなかった状況で同伴競技者が球を拾い上げてしまった場合』と捉えて頂ければ・・・と思います。

Mr.golfbaka