Q:ドロップした球がドロップ範囲を飛び出た場合に再ドロップすること 2014.12.05

いつも拝見させていただき、ありがとうございます。
救済を受けるためにニヤレストポイント(A点)を決定した後に、1クラブレングス(又は罰のとき2クラブ)の地点(B点)とを結んだドロップエリアにドロップしますが、このとき、ドロップした地点(C点)から2クラブレングス以内に停止すれば、これがインプレイになるのでしょうか? と言いますのは、我々の月例会等では、A点とB点を結んだ後方へドロップし、もし、ボールがA点と反対側のB点より少しでも外へ転がったときは、再ドロップをしています。転がってC点から2クラブレングス以内が正しければ、インプレイの球を拾い上げたことになり、罰を受けることになりますが、規則等に細かい指示がないように思います。どの規則(又は裁定集)に従い、正しい処理はどうなるのでしょうか?

ヨシオさん

回答
ご質問ありがとうございます!
まず、A点から、A〜B間の距離(1または2クラブレングス)の範囲でニヤレストポイントよりホールに近付かない場所が『ドロップ範囲』ということになります。ご質問のC点(ドロップした地点)がこの範囲内におさまっていれば正しくドロップしたことになります。そして、ご質問内容からすると正しくドロップした球が『ドロップ範囲』を飛び出て止まった場合に再ドロップしていることになりますが、これは正しくなく、ご質問にもあるようにC点から2クラブレングスの範囲を飛び出ていなければ再ドロップとはなりません。例えばB点に近い場所にドロップした場合、B点から2クラブレングス近く外に転がっていっても再ドロップの必要がない場合もあります。
再ドロップについては規則20-2cで定められています。動かせない障害物などからの罰無しの救済やウオーターハザードやアンプレヤブルの処置など1打罰を受けての救済、また、OBなどで前回プレーした場所にドロップする場合も全て規則20-2cを参照しなくてはいけません。規則20-2cで定めている再ドロップの必要がある場合は以下になります。

1.ハザード内に転がり込んだ場合
2.ハザード内から転がり出てハザードの外側に止まった場合
3.パッティンググリーン上に転がり込んで止まった場合
4.アウトオブバウンズへ転がり出て止まった場合
5.救済を受けた障害物などが、再び障害となるような場合
6.ドロップした際に球がコース上に最初に落ちた箇所から2クラブレングス以上転がって止まった場合
7.元の球の位置や救済の基点となる場所よりホールに近付いて止まった場合

1.は、スルーザグリーンなどハザード以外で救済を受けドロップした球がハザード内に転がりこんだ場合になります
2.は、救済を受けてハザード内にドロップした球がハザードの外に転がり出た場合です。バンカー内でのカジュアルウオーターからの救済や、ウオーターハザードの救済で旗竿と基点とを結ぶ後方延長線上にドロップする時に別のハザード内にドロップしたような場合に該当する可能性があります。
3.は、グリーン以外の場所にドロップした球がグリーン上に転がり込んだ場合です。
5.は、例えばカート道からの救済を受けた後に、球のライやスイング・スタンス区域において、いまだそのカート道の障害が生じているような場合になります。別の障害物などによる障害が生じた場合は再ドロップの必要はなく、そのままプレーしても良いし、新たに救済を受けることもできます。
6.これが今回のご質問内容に該当するものですが、最初に球が地面に落ちた地点から2クラブレングス以上転がって止まった場合になりますので、2クラブレングス以内に止まり、他の項目に該当しない場合は再ドロップの必要はありません。
7.は、前回プレーした場所や、ニアレストポイント、ウオーターハザードの救済であれば最後にウオーターハザードの限界を横切った場所、アンプレヤブルの処置なら元の球の場所、といった基点となる場所よりホールに近付いて球が止まった場合は再ドロップしなければならないことを定めています。ドロップした時に最初に球が地面に落ちた場所は含まれないので、ドロップした球が転がって多少ホールに近付いても、基点よりホールに近付かなければ再ドロップの必要はありません。
ちなみに再ドロップの必要が無い状況で球を拾い上げて再ドロップしてプレーした場合、規則が認めていない状況で球を拾い上げリプレースしなかったことに対し2打罰が課されることになります(規則18-2a)。もし、再ドロップした球をプレーする前に誤りに気付いて元の位置に戻せば1打罰となります。

Mr.golfbaka