Q:ホールに近いプレーヤーが先にプレーすることでパットラインが改善される 2014.04.17

ホールに近いプレイヤーに先に打つことの要求への関連質問です(4月15日回答)。同様のケースで、先に打つべきAがホールに近いBのラインを踏まないとスタンスが取れないケースで、AがBに先を促したところBもその提案を受け入れて先にパッティングした。次いでAがパッティングした後で「Bのパッティングが参考になった。ありがとう」と発言、Bは「先生になりました。良かったです。」と応えた。それを聞いていた同伴競技者は、ラインを教えることを目的に合意の上で先に打たせたので失格だと主張した場合に、その主張は通るのでしょうか?
また、ホールに近いBのライン上にスパイクマークによると思われる芝生が数本立った状態があった。遠い位置にあるAは通常のスタンスをとってパッティングしたところ、立っていた芝生が綺麗に寝てしまった。ボールが止まった時点を基の状態とするなら、そのままプレイすることは問題ないのか。

Mr.Rule MANさん

回答
ご質問ありがとうございます!
まず、最初の質問についてですが、結果的に他の人のプレーが自分のプレーの参考になることは通常のプレーの中でもよくあることですので、その結果について言及しているだけであれば特に罰はありません。同伴競技者が失格だと主張しても委員会はそれを認めるべきではありません。もし、AとBの発言を考慮した時に、Aを有利にするために順番を入れ替えるという趣旨が感じ取れるようなやり取りがAとBの間で行われていたのなら、同伴競技者の主張が通る可能性も大いにありますが、ここで大切なのは事実はどうであったか、ということです。AとBは単純にプレーの進行のためにそうしたのか、それともAを有利にする目的をAとB双方とも持っていたのか、怪しい場合はその事実関係を委員会は様々な状況を考慮して判断しなければなりません。そして、順番を入れ替えてプレーする前にAとB双方が、Aを有利にする目的を持つことに同意していたことが明らかと言えるようであればAとB共に競技失格とすべきです。明らかでなければ競技失格とすべきではありません。ゴルフの規則では「疑わしきはプレーヤーに不利に解釈する」というのが一般的ですが、本ケースの場合、AがBに対して配慮(パットの線を踏まない)した上で順番を入れ替えていると考えるのが自然ですので、このような場合は疑わしいだけで競技失格の罰を課すのは不当と考えられます。
次に、Bのライが改善された場合についてです。結論から言いますとBはそのままプレーしても問題ありませんし、元の状態に戻してプレーしても問題ありません。ゴルフ規則裁定集の中では、プレーヤーの球のライやスイング・スタンス区域、プレーの線について同伴競技者や局外者がそれらの状況を変えた場合、公正の理念に従い元の状態に戻すことを認めていますが、必ずしも元に戻さなければならないというわけではありません。ただし、この事は質問のケースのようにプレーヤーAが通常のプレーをした場合や、プレーヤーBが知らない状況で行われた場合に限ります。例えば、プレーヤーBのパットライン上にある毛羽立った芝を、プレーヤーCがプレーヤーBのために「私が直せばBに罰はないから直してあげるよ」と言い、プレーヤーBもそれを承知した上でプレーヤーCに自分のパットラインを改善させた場合は規則13-2の違反によりプレーヤーBは2打罰が課せられることになります。この場合、プレーヤーCも規則1-2の違反で2打罰が課せられます。
参考裁定例
13-2/4
13-2/8.7
13-2/29.5
13-2/33

Mr.golfbaka